今更桃源クリーム
平田裁判について、江川さんが記事を書いていた。検察側求刑について「バランスを欠くのでは」と述べている。
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共犯者に比べて重い求刑
また、共犯者との刑のバランスというものもある。
元信者Iは、仮谷事件では被害者を車に押し込み、その後同じ車に同乗。假谷さんが亡くなったとは知らされないまま、その首を絞め、遺体の焼却にも関わった。2つの自作自演事件では井上元幹部が乗る車の運転を行った。関与の度合いは平田被告より強い。それで求刑が懲役10年で判決は同6年。假谷事件の拉致に使った車の運転などを行った元信者Mの判決は懲役4年、爆弾・火炎瓶の両事件に関わり、火炎瓶を投げるなどした元在家信者Sが同5年だった。
これについて、検察側は「教団内のステージが、Iらは格下なので、上位者にはいいように使われた側面は否定できない」と主張。被告人は彼らよりステージが上であり、車両省次官という立場であって、事件を起こすことに消極的態度も見られないとして、その責任はステージが低い実行犯らとは「比べ物にならない」と述べた。
もっとも検察は、Iらを裁く裁判では、弁護人のそのような主張をしても全く認めず、厳しく彼らを論難しており、この言い方はご都合主義の感じが否めない。しかも、平田被告よりステージも地位も上で、假谷事件では逮捕監禁致死罪(平田被告は逮捕監禁罪)に問われ、他の事件にも関わった女性幹部I子でも、懲役8年の求刑、同6年6月の判決にとどまっている。
それを考えると、検察側の懲役12年の求刑は、いささかバランスを欠いているのではないか、というくらい重い。裁判員裁判になって量刑が重くなっているとも言われるが、その現れだろうか。
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検察官も公務員。上から「注目されているオウム裁判だからできるだけ厳罰に」と言われれば、ステージが下の者(公判担当検事等)は逆らえないんだろう。今回はこの点について、小生の実体験からの愚痴などを少し。
以前小生は薬事法違反事件で逮捕・起訴されたことがある。いわゆる「桃源クリーム事件」である。事件は、「中野」といういかがわしい名前だけの信徒が、ニセのアトピー薬を持ち込んだところから始まる。「中野」曰く
「中国の洞窟にだけ生えている桃の木の実から取った天然成分100%のクリーム」
「天然だからステロイドなどは一切入っていない」
「俺しかそのクリームは入手できない」
このような適当なウソに、当時東京本部長だったV師ら複数の支部担当者は騙された。気づいた時には、信徒含めて10人前後が関わっていた。小生は2003年4月に東京本部を管轄することになった。その時点までにV師ら指導の元、既にこれらの信徒は桃源クリーム販売に関わっていた。担当正悟師が変わる切っ掛けは、前担当正悟師(後にタイトル剥奪)の破戒事件である。
アトピーの治療には、ステロイド剤が使われることがある。しかしステロイド剤は一時的に症状を抑える効果はあるが、長期に使い続けるとより症状を悪化させてしまう。実はこの「桃源クリーム」にも、ステロイドが含有されていた。「中国の洞窟の桃から作った」というのは、真っ赤なウソ。アトピー治療薬については、このように「ステロイドが入っているのに『入ってない』」と宣伝する詐欺が少なくないが、まさにアトピー詐欺事件だった。
しかしそんな詐欺とも分からず、東京本部のV師らは、よく売れる「桃源クリーム」に入れ込んでいた(ステロイドが入っているからよく売れるのは当たり前)。その主導権争いに小生は巻き込まれた。当時東京本部のT師補は、V師のやり方が気に入らず、小生を直接その中野に引き合わせることとなった。
中野はその話の内容その他からしても、「いかにも詐欺師」という人物にしか、小生には見えなかった。いくつかのネットワークビジネスを持ちかけてきたが、どれもまともな話では無かった。ただ当時、「桃源クリーム」がステロイド入りの詐欺商品とまでは見抜けなかった(というかそこまでの関心がなかった)。
ただ少し調べると、「アトピーに効く」などと効能を謳って薬を販売するのは薬事法に引っかかっていた。どういう解釈をしても、薬事法には抵触するものと思われた。そこで小生は、V師に以下のように伝えた。
「どうやっても薬事法に触れるから、クリーム販売はやめろ」
これに対しV師は次のように食い下がってきた。
「信徒が勝手にやる分にはしょうがないですよね?」
信徒が勝手にやるというのは、あくまで解釈論に過ぎない。ここで小生はこれ以上反論する気が起きなかった。というのもこれ以前にV師については、小生の言うことを聞く人間でないことがよくよく分かっていたからだ。これについては後で述べる。
この約半年後、V師含めた東京本部の信徒サマナは逮捕される。その数ヶ月後、小生もたったこれだけの関与で責任を問われることになった。中野以外の教団関係者は、逮捕されるまで桃源クリームにステロイドが含まれていることを知らなかったと思う。中野は最初から知っていた可能性が高い。ただ今回述べるのは、検察の中野の扱いである。
最初に逮捕された信者らは、23日間黙秘していた信者がほとんどだった。ただ中野は最初から供述して事件関与を認めた。しかもその供述内容が、「V師から『ステロイドが入ってないということにして販売しましょう』と持ちかけられた」というものだった。検察のストーリーは、「V師がステロイド入りのものをステロイドが入ってないものとして偽って販売しようと中野を巻き込んだ」という内容であり、それに沿った供述を中野はしていた。これは、自らの罪を軽くしたい中野と、「オウム悪し」としたい検察の利益・思惑が一致した結果ではなかろうか。
小生含め逮捕された関係者は全員起訴された。しかし最初から供述していた中野だけは、最初から公判分離された。他の信者らが共犯関係で同じ公判で事実を争う一方で、公判分離された中野は、あっという間に執行猶予が確定し釈放された。その後も一年程度小生らは拘留されたにもかかわらず。
中野は、求刑4年の所、懲役3年執行猶予5年だった。検察も執行猶予が付くギリギリ3年の判決に落ち着く4年求刑としたのだろう。しかも事件の構図は、V師が詐欺を主導したというモノ。
被疑事実を認める共犯者を公判分離するのは、通常のやり方としてよくあるのだろう。しかしこの事件に限っては、真相究明というよりかなり意図的に検察ストーリーの構図に押し込める形で使われたとしか思えない。
執行猶予が確定した中野は、その後も事実を争い続けた小生らの公判に何度も証人として呼ばれた。その内容が信用性が極めて低いモノだったことは、裁判官らも分かったと思う。検察が、事件の主犯としてV師に求刑したのは、懲役6年。V師に下った判決は、求刑の半分にも満たない懲役2年6月だった。執行猶予こそ付かなかったが、中野よりも短い。これが裁判所の量刑バランスと思慮された。
(つづく)
コメント
キミ、それはちゃんと理解してる?
言いたくなる、まあ冗談ですが、実際僕は年収12万円もない、ニートであり、
ふざけた人間だから、このようなコメントはまともに受け止めないでほしいですが、
でも嫌になってきますね、
「警察が来たら、警察を見つけ次第殺してしまえ、」とか一度くらい考えたことは
あると思います、オウムをやっていた人間なら、
でも実際に人殺しをしてしまったら人生終わりじゃないですか、
「生きることが苦しくてたまらない」となればこのように人生を終わらせたい人も
出てくるかもしれません、そのような人が出てこないことを願っていますが、
警察も人間だから弱いとこもあると思っています。
皆さん幸福に長生きしますように、幸福な輪廻転生をしますように。
草々
これだけ苦難をお受けであれば、相当なカルマが落ちたに違いない
中野氏に感謝し、彼が早くつみに気づき、ざんげするよう、祈ろう
特にグルの意思に反するから、下らないことで
起訴され裁かれるんだよ。
大切な業財を無意味なことで使うからだよ。