経済5
◆土建行政の浪費ぶり
前回の補足説明です。
まず日本が如何に公共事業の土木工事に浪費しているかです。先進国で比較した図がありますので、見て下さい。以下の図1は、GDP(国内総生産)に対する公共事業費の割合です。
以下の図2は、国土面積当たりの公共事業費です(図1,2共1996年OECD資料より引用)。
日本は狭い国土なのに、土木工事ばかりやらせている。皆さんもよく目にしているでしょうけど、迷惑なのは渋滞どころじゃない。あちらこちらで、道路を掘ったり埋めたり掘ったり埋めたり繰り返しの無駄遣い。
ホントは財政法上、赤字国債発行は駄目なんです、「禁じ手」です。それをやり始めたのは、1965年。東京オリンピックで一時景気がよくなったけど、終わってみれば不景気に。それで歳入が不足したので、「特例国債法」という法律を作って「禁じ手」を認めたのだ。「建築物は後々も使うインフラだから、借金して作っても良いんだ。」という理屈づけで。
◆日本の借金はどうなる?
で、結局借金はどうなるかを説明します。
元々日本経済は、太平洋戦争でメチャクチャになったわけです。戦費をまかなう為に国債を乱発した。だから戦争が終わってみると、もの凄いインフレになった。インフレを抑えるのに政府は何をしたかというと、「預金封鎖」と「新円切り替え」。これいわゆる借金チャラにする「徳政令」だったわけです。私の祖父も、これで一気に金持ちから転落しました。
今日本の個人金融資産は、1300兆円程度あると言われています。しかし日本政府と地方自治体の借金トータル、これも1000兆程度ある計算です。日本は豊かなようで、実は政府の借金でばらまかれたお金だったんですね。だからドル暴落で、金融システムが打撃を受けたら、徳政令があるかもしれません。
浅井隆氏などは、ここ数年ず~っと「日本国破産」「円が紙切れになる」と警鐘ならしてきました。再度「預金封鎖」「新円切り替え」ということですね。ただ彼の場合、「2003年日本国破産」と本を出していました。それがはずれたから、「狼少年」扱いを受けています。最近の浅井氏の主張は、2007年、つまり今年から国家破産が始まるとのこと。
このあたりの予測は難しいです。例えば、ある会社の株価がどんどん上がっているとして、永久に上昇し続ける青天井ということはあり得ないんです。しかし「いつ」天井をうつのか、というのは、神のみぞ知る話。だから私は、時期を特定しないで、「100年後かも…」と言うわけです。
私としては、実需に根付いた経済をお勧めします。具体的には、自分が住む家くらいは買っておいた方がいい、あるいは、農業で自給自足とか。元サマナ・信徒の方のご相談には、積極的に応じさせて頂きたいと考えます。
コメント
信用と借金の現実性
浅井隆氏の主張
浅井氏は去年の暮れに「ニュージーランド財産防衛計画」という本を出しています。
浅井氏はこの本の中でこのように言っています。
「この先、何らかの危機的状況がやってきたとしても、きちんと対処できるのではないかという信頼感が持てる国、それがニュージーランドなのです。皆さんや皆さんの家族が将来住むための国としても、財産の保全先としても、わたしの知っている限りではこれ以上のところはないと思います。」
教団が危機的状況なり教団から離れても、日本自体も危機的状態ということでしょうかwww みんなでニュージーランドに移住しますかwww
でも本質的に無常の世界に生存していること自体が老病死・愁悲苦憂悩というリスクを背負っていることになるんですよね。
備えあれば憂いなし。
精神面でも健康面でも経済面でもリスク管理はしっかりしておきたいものです。
三菱こそフ
よび処理の対象とならなかった仏貨債の未償還額は、終戦年度末において、表3の通りで
あった。
しかしこの金額は国債全体から見た場合、ほんの小額に過ぎない。終戦時の昭和20年
8月末の累計国債残高は1233億円(日華事変、太平洋戦争中の発行高は1059億円
)、昭和20年までは1439億7188余万円である。うち内国債は1399億244
6余円、国債総額に占める割合は97.2%、外国債は8億8742万余円、0.6%で
ある。内国債がいかに巨額な数字であるかは、当時の国民所得が900億円であることか
らも窺い知ることが出来る。
ではこの内国債は終戦後、どのように処理されたのであろうか。結論を簡単に述べると
、戦後インフレ-ションによって、累積債務は目減りしたのである。表4をご覧頂きたい
。昭和20年度末から昭和26年度末の間に政府債務総額は3.24倍に増加しているが
、物価はおよそ30倍になっている。したがって、昭和26年度末残高の実質値は、昭和
20年度残高の11%の大きさに減少している。内国債だけについてみると、6.3%に
過ぎない。結局、政府は債務者利得を獲得し、国債保有層は大きな損失をこうむった。戦
後インフレ-ションは零細な個人保有層に大きな打撃を与えた。もちろん、金融機関も債
権者損失を被った。国債の大量保有がインフレ下の金融機関の浮沈の一因をなしたのであ
る。
となると、借金の額もさることながら、国家基盤の安定性が経済の安定性に大きく影響することになる。
少し国家からスケールダウンして、旧国鉄の例。
国鉄は1964年までは黒字で、立派な公共企業体だった。1964年に東海道新幹線ができ、その際に借金したが、たいへんな黒字路線なので、80年代までに世界銀行などの借款は返済できた。しかし70年代に東北、上越と政府主導で、大変なオーバースペック(数兆円)の新幹線を建設したり、赤字の地方ローカル線を相変わらず延長し続けたため、完全な慢性赤字体質になった。
末期には数兆円単位で赤字が膨らみ続けたが、なんとか国鉄は動いていた。「公社」なので、親方日の丸の信用が背景にあった。
しかし、70年代、80年代と進むにつれ、労使対立、職場の規律の乱れなどによって、サービスと運用効率が低下し、どんどん国鉄離れが進み、組織として荒んでいった。結局、国鉄は解体せざるを得ないところまできて、天文学的赤字を残して分割民営化された。借金のかなりの部分は国民の税金で返済されることになる。
国鉄は政治家の利益誘導と過激な労働運動によって食い物にされていた。
組織としての信用、体裁を失ったとき、ドカンと借金が現実のものとして降りかかってくる。