仏の心6

元ヤクザで刑務所から出てきたばかりのAさんは、また逮捕されてしまいました。その後拘置所から2回ほど、「生活必需品を買いたいので支援して欲しい」との連絡が来ました。その度に3000円ほど差し入れをしました。
その後、刑務所に移った彼から、同様の連絡が来ました。刑務所に入れば、刑務作業があり報奨金がもらえるはずです。前回記した通り
「刑務所の縛りすら効かない、何の縁もゆかりも、義理も筋合いもないこの爺さんに、何で交通事故にあうような目にあってまで、タダ働きの奉仕をせなあかんねん。」
という思いを禁じ得なかった小生は、「必要なものは、報奨金を貯めて買って下さい」と返事しました。
更にその後、Aさんから「出所後の身元引き受け人になって欲しい」という連絡が来ました。受刑者にとって身元引き受け人がいるかいないかは、ある種切実な問題です。なぜなら身元引き受け人がいれば、刑期が短縮される可能性があるからです。その趣旨をAさんも小生に訴えてきました。
上記の通り、余りやりたくなかった小生は、以下のような返事を突きつけました。
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A 様
前略、身元引受人の件、やってもいいですが、こちらも別段やりたいわけでもなく、また元々やる筋合いもないところですから、以下の条件を貴殿が了承するなら身元引受人を引き受けましょう。
①出所後のお金の管理は少なくとも1年間は野田が管理する、これは出所時の報奨金・その後の生活保護のお金含めて全てです。
②住居に関してはこちらが指定するところで、もし同居人に前回同様の迷惑をかけたなら、市町村指定の無料低額宿泊所に移ってもらいます。また私の言うことを聞かなかった場合も移ってもらいます。
③①のお金の中から、前回迷惑をかけた同居者への弁償、こちらからの貸金、物件オーナーへの住居費他を支払うこと。
繰り返しますが、私が貴殿の身元引受人をやるというのは、どこにもそのような義理も筋合いも無い話です。貴殿はこちらからお金を借りるだけ借り、住居その他お金を一銭も払わぬまま、同居人からもお金や携帯電話を巻き上げるという恐喝をし、こちらの信用を傷つけた上で、無銭飲食で逮捕されたのです。今の境遇が貴殿の自業自得だというのをよくよく認識すべきです。
上記を了承する旨手紙を書いてきたなら、身元引受人の書類にもサインしましょう。気に入らなければ他の人に頼んで下さい。
早々
平成24年7月9日
野田成人
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結局Mさんが言っていたタイトルの「仏の心」は何だったのでしょうか?Mさんは独特の仏教理論を持っています。その内の一つを紹介する。
M氏「お釈迦様がスジャータの供養を受けて悟ったというが、その時の悟りは何だったと思うか?」
野田「さあ、分かりません。」
M氏「勃起」
と彼は親指を立てた。要するにM氏によると、「お釈迦様はスジャータを見て勃起し、『苦行をしても悟れない』と悟った」というのだ。M氏は元オウム信者らに対しても「解脱できないってことを悟れ」などという話をしている。
このようなM氏の仏教理論は、真面目な一部の仏教徒には滑稽または噴飯ものかも知れません。だが、親鸞の悪人正機説にも似たような内容があるので、小生も完全否定はしません。しかしながら「悪人正機説」のような理論から、「こいつは仏の心を宿している」とするなら、誰だって持っていることになります。そもそもスジャータに勃起するような仏の心なら、小生だって出家する以前から持っていたわけであり、だからこそAさんではなく制服女子高生なら助けてやる、と言っているわけですが。
(つづく)
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