元オウム教団幹部 野田成人のブログ

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 観念形成の自由度という視点からすれば、現代人は大変不幸な状況であるとも考えられます。その理由は、情報の洪水に翻弄されているからです。現代では、自分でわざわざ経験しなくとも、様々な情報メディアを通して情報を得、擬似的に体験することができます。しかしそれらの情報・知識は、観念形成の自由度を阻害する要因となるのです。

 喩えるならば、数学の問題があったとして、問題を見て考えることもなく、すぐ解答と解法を見るようなものです。それによって即座に問題を解く道筋をなぞり解答をしることはできます。しかしながらこれではいつまで経っても、自分で考えて問題を解く力はつかないのです。問題を見て分からない状態からあれこれ試行錯誤することにより、問題を解く力は身につくもの。そしてもう一つ重要な点だが、悩みに悩んだ末に解答に辿り着いた時の「おお!解けた!!」という歓喜を味わうことができません。

 私などもそうでしたが、数学が好きな人間は、エレガントな解法に辿り着いた時に一種の喜びを感じるものです。エレガントな解法に辿り着いた時の喜び・感激は、問題が難しければ難しいほど大きいです。それは悩み抜いた末だからこそ味わえるものです。エレガントな解法を見つけて喜ぶ、というのは、数学が好きではない人にとっては全く無縁の奇人変人趣味の世界かもしれません。だが重要なのは次の点です。

 この喜びは、数学好きにとって次の難問に挑む原動力となるものであり、自分自身の中に数学の世界を構築する為に必要な原動力となります。この動機付け・モチベーションがなければ、一つの世界を構築することはできないです。若い頃から便利なものに囲まれ、情報過多の環境で育った現代の若者は、その情報の多さ故に動機付けを生み出し難いです。別の喩えで言うなら、推理小説があって、その事件のシナリオ・トリック・真犯人が最初から分かっているようなものです。それで推理小説を読みたくなる人がどれだけいるでしょうか。

 日本における伝統的な職人技は、マニュアルというものを作りません。その一つに宮大工という職業があります。神社仏閣の建築や補修に携わる大工のことです。そこに弟子入りした人達は、最初何も教えてもらえないで雑用ばかりやらされます。一通りの道具を揃えて、カンナなどの刃の研ぎ方は教えてもらっても、実際にそれを使って木を削ることはなかなかやらせてもらえないのです。師匠はその新入りが、やりたくてやりたくてしょうがない「うずうず」してくるのを待ってから、実際にやらせてみるといいます。

 師匠によれば、人を育てる要諦は、「教えないこと」。手取り足取り教えるのではなく、「なぜこうやるのだろう」と弟子がやってみたくてうずうずしてくるのを待つのが大事だといいます。「うずうず」状態でやらせて教えると、弟子は乾いた土が水を吸収するように技術習得するのです。弟子もやりたくてしょうがなかったところを経験してみて、「面白いな」と感じます。このじらされた「うずうず」後にやってみて感じる「面白いな」は、次なる修行過程のモチベーションとなるのです。

 ではこれを現代の企業が真似できるか、という問題です。経費削減・効率優先で、目先のマニュアル化した対応をさせるしかない。マニュアル化した対応は、結果だけかいつまんでいるので、「なぜそうするのか」という思考過程もなければ、意味合いも不明で、モチベーションも当然下がります。「やり甲斐」も感じづらく、「生き甲斐」ともなりづらいです。

 情報過多は、このようにモチベーション形成の阻害要因となります。過程を経ずに結果だけ知ってしまうことは、その経験への意味付け価値付けを不能にし、その意味付け不能はニヒリズム・シニシズムへといたります。これは現代の政治不信の要因にもつながるのです。

 確かに一個一個の経験を見るならば、たかがカンナ削り、たかが数学のエレガントな解法、たかが推理小説、です。しかし人間の一生とは、そのような一つ一つの経験に意味合いを見いだし、生き甲斐とし、死んでいくものです。カンナ削りに価値を見いだすのか、お金に価値を見いだすのか、それだけの違いだが、そのお金すら得られない貧困層が大量に排出されつつあるのです。いずれの価値観にも見放され、かつ新たなモチベーションすらもてない人達を、小生は生活保護対象者を中心に沢山みてきました。

(つづく)

コメント


問題が解けた喜びは、最近では、数独で味わってます。
野田さん数独とか得意そうな感じがします。

 知るための勉強は疲れますが、理解の勉強はまったく飽きない
 「サイエンス」は知る作業を意味するようですね
 その知る作業(左脳)に続き莫大な理解する作業(前頭葉)が本来は残されてます
 ちなみに霊感で知るスピリチュアルな作業(右脳)のあとも理解が必要だが
 データの過多は、確かに理解の基になる思考力を弱める
 というのは考えなくても憶えれば答案は書けるし、検索すれば知識を得ます
 ヒトが調和できないのも理解力低下によるのでしょう

野田さんよ<古畑のモデルになった>どうですか

刑事コロンボシリーズは、犯人が一番最初にばれるつくりになってるよ
古畑もそう。
でもとても面白くて、くせになる
犯人探しだけがおもしろいわけじゃないのさ

今日、ビックリしたことが一つ

朝、九時半ごろ、アマゾンでお急ぎ便の買い物をした。
そしたら、なんとさっき二〇時半には山奥まで荷物が届いた
いやー観念崩れたw


やっぱ山奥生活の時代だわww

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