弁解2
摩訶不思議なみずほの振込みミスも、一週間ほどで組み戻しになった(笑)。
これで滞納している店子は、一軒だけになった。その人はSさんという。
Sさんの部屋は、2Kなのだが、元々ルームシェアで貸そうと思っていた。だが実際には、うなぎの寝床のような構造なので、ルームシェアには向かない。部屋が独立しておらず、奥の部屋からは前の部屋を通らなければ出られない。それでも強引に、前の部屋1万5千、奥の部屋4万で募集してみた。それで応募してきたのがSさんだった。
Sさんは、事業で失敗してかなりの借金を背負ったらしい。仕事はしているが返済中らしく、本当に手持ちも余裕がない。よってSさんとしては、1万5千円の部屋を希望していた。
だが、現実問題としては、安い方にはすぐ客が来るのだ。こちらとしては、できれば奥の4万の方から埋めたいと希望を伝えた。Sさんは「今手持ちがないが何とか払えると思う」とのことで、4万の方を借りてくれた。
ここで詳細は書けないが、Sさんの前職からして、「それなりに信用できそうだな」と判断した。本人も「払えなければ出て行きますから」とのことだった。ほとんど前の経歴を信用して貸したに近い。
手持ちがなかったので、出世払いということにした。ここで滞納1ヶ月。まあこれは俺が認めたのだからいいとする。
次に手前の部屋であるが、案の定、安いのですぐ客が見に来た。次の客はSさんとも話して、プライバシーが少ないルームシェアだが、口頭ではOKだった。ところが、この次の客は、入るという当日に、ドタキャンを入れてきた。ルームシェアならずともよくある話だが。。
ほどなくして次の客が来た。その客も安いのでOKだったが、今度はSさんが渋った。半月ほど一人で2Kを占有したので、やはり一人の空間がいいと思ったのだろうか。「前の部屋の分も払うので、1部屋の契約でお願いしたい。」と言ってきた。部屋が埋まるのはいいのだが、しかし新たに来た客の対応が困った。大体1万5千円のルームシェアを希望する客というのは、ネットカフェ難民に近い。今やっている支援活動の対象者に近いわけだ。こちらの対応にも苦慮したが、競売で立ち退きが迫られてまともに貸せない部屋にタダで住ませてあげる事にした。
色々あったが、Sさんは丸々1部屋を大家と契約するに至った。しかし、Sさんの場合、敷金0礼金0更には仲介手数料も0である。お金がないから仕方がない。当方には単に管理費しか残らない。最初の家賃は10日遅れで振り込まれてきた。
で、2ヶ月目。「ちょっと相談があります。」と電話が来た。「実は、知人でどうしてもお金が必要だというやつがいて、月末までに返すから何とか貸してくれと頼み込まれまして。『月末までに返してくれないと俺の方も家賃の支払いができなくなってこまるから、絶対返してくれよ』と言ったのですが、返ってこなくて…。来月以降必ず穴埋めしますから。」
ちょうど年末で、私も支援活動を考え始めていた時期である。信条的(かつ心情的)にも追い出せない。このSさんにも、破産含めた借金の整理も勧めてみた。が、貸し手は金融機関ではなく知人らしい。知人に迷惑をかけられないし、今やっている仕事の信用問題もあるとのことで、何とか頑張って返すということだった。ただ、その翌月から数ヶ月は振り込まれた、が、穴埋めはされなかった。
先々月末になると、また振込みがない。先月頭になって確認してみると、「8日までには払いますから。」とのこと。12日に記帳して確認してみると、まだない。これまでSさんは、払えないときは「今まだ払えないので待ってください。」と連絡を入れてきた。今回はそれもなくなった。連絡を入れてみると、「今月末に2か月分まとめて払いますから。」ホンマかいなと思いながら、月末まで待つことにした。
ネット検索してみると、「今払えませんが、次2か月分まとめて支払います」は大抵守れないらしい。これと平行して、弁解に書いた最安値部屋店子のみずほのミスが重なった。何か店子の言うことをそのまま信じるのも馬鹿馬鹿しい気がしてきた。
Sさんの方から「払えなければ出て行きます」といっていたのだ。Sさんを信頼していた分、裏切られた思いもした。月末に2か月分払えなければ、出て行ってもらおうと考えた。勿論、路上に放り出すわけではない。トイレのない部屋なら空いている。1部屋丸々というのが無理だったわけだ。
月末になって、案の定Sさんから連絡が来た。「1ヶ月分は払えるが、残りの分については相談がある。」とのこと。半年余りで3ヶ月滞納。払えないのだから、申し訳ないけど、部屋を移ってもらおう。その説明をしに現地に行くことにした。
(つづく)
コメント
目的
大村さんへ
まあ愚痴的な内容があってもいいんじゃないですか。
大村さんは心が純粋ですね
鋭いと思います。
つぶやきにしては長いかも
つぶやきとか、チラシの裏ともいいます。
更に言うなら、世の中がどっぷりつかっているグローバル資本主義のアンチテーゼという観点から書いています。
回答
まあ反教団に染まりきってるかどうかって言うわれると染まってるかもって言えるかな?
で、資本主義のことアンチで書くなら国とかもっと圧倒的強者を相手に書いた方がいいんとちゃうかな?
私はホームレスの人とかを弱者と言っているわけでないよ。それは失礼だし、でも個人だからさ・・・・。
まあ、そういう趣旨なら私はそっちより別のものを読み取ってしまったってことかな?
わかりました。それは読み取れないのは、私が無智だってことで。
強者はシステムの権益利得者だから、言うだけ無駄だし声も届かないよ。
支配されている人に、そこから脱して実物を裏づけにした経済というか信頼関係作りましょうと言っています。
それはサマナに対しても同じだけど、どちらもなかなか既存のシステムから脱却するのは難しいんだなと痛感してます。
大村さんのコメントに
ウシジマくんでも読んでろ
それとも、VT正悟師のかわりに借金取りになるか。
外で暮らさずに少なくとも借家で生活しようとしているうちの最も苦しい方々とそこから家賃を徴収する大家の苦労をぶちまけてるブログはあまりないんじゃないか?
一部の金持ちよりも、そのあたりの層がどういう暮らしをしているかというのは、その国の経済の実態をよく物語ってるのではないかと思う。
日本はグローバル資本主義の恩恵の上に成り立っている。また、野田氏の事業は、日本の行政システムの上に成り立っている。
ってことは、野田氏の事業はグローバル資本主義の上に成り立っているのだ。
自分には、ただ淡々と事実が述べられているだけにしか思えないです。
もしかして、
「野田さんの状況を思いやるあまり、自分もどこか辛くなり…」
といった流れで、それは愚痴であると解釈されたのでしょうか。
確かに、慣れない方には、ちょっと見るに耐えない現実があります。
ただ、自分は元ホームレスで、
また、ボランティア活動の内情なども知っている身なので、
普通の文章にしか感じません。
>これと平行して、弁解に書いた最安値部屋店子のみずほのミスが重なった
この辺りとか、爆笑しちゃいましたね自分は。
何を読者に訴えたいのかしら?自分の気持の吐露、愚痴を言ってるのかしら?いや、ぐちを言うなっていうことじゃない。それならそれでいい。
ただ、そういう人が多いことは覚悟してやっていることだろうし、そういう人を投げ出していないんだけど、どうもある一定のイメージづけになっているように思う。
大変な実情、実態をみんなに報告するのはいいけど、ちゃんとやっている人はゼロでないだろうに、ちゃんとしてない店子の一件を書くときののださんの文章に何かのださんのある心がのぞいているようで違和感を感じる。
こういう人がいるってことは一回書いたらもういいのじゃないかな?1回かけば、実態を知らせる目的は達せられると思うよ。
まあ、こういうの読みたい人もいるだろうし読みたくなければ自分が読まなきゃいいんだけどね。
でもこれをみんなに繰り返し発表する目的がよくわからないのだ。