余談
1ドル135円台って、24年ぶりの円安水準。24年前って1998年なんだけど、丁度教団のパソコン事業最盛期。1998年の年間売り上げが100億円超だった。
海外から部品を輸入して組み立ててたから、為替レートの変動で採算も上下した。今と同じく、当時も円安が止まらなかった。
1ドル140円台の円安で困ったのは、ウチの事業部だけじゃなくて、当然日本経済も影響を受けていたわけ。ただ、当時は原油価格他高くなかったから、今ほど切迫した感じは無かった。多分当時の原油価格は、今の1/10位だったと思う。
円安を加速させたのは、投機筋による円売り。当時も金利が安かった円を金融機関から借りて、ドルを買う。これはいわゆる円キャリートレード。
この円安を止める為に通貨当局が何をやったかというと、日米共同の為替介入。
為替介入って、実際にドルや円を売り買いするんだけど、日本がやる場合、円高対策としてやるなら、無制限に円を刷って円売りをすればいいだけで簡単。しかし円安対策で介入する時は、外貨準備などのドルを売って円を買い戻さなければならない。日本が持っているドルも1兆ドル程度だから限度がある。
しかし、ここで日本だけじゃなくアメリカ通貨当局も協力してくれるなら、話は違う。アメリカからすれば、ドル売り介入は基本無制限にできるからだ。
その日米共同介入があったのが、1998年6月だったかな。当時の円最安値が1ドル147.66円だけど、その水準で一応止まった。
秋頃になって、ある朝起きてみたら、前日まで142円台だった円が120円台位になってた。たった一晩でいきなり20円近くの円高。
「今、円が20円位円高になってるんですけど、どうしましょう?」
とパソコン事業部からも連絡がある。要するに仕入れの為のドルを今換金しておくべきか、って相談。
ここ数カ月で起きてる円安と逆の事が、一晩で、つまり欧米の取引時間中に起きたわけだ。
何が起きたのか調べてみたところ、この直前にロシア財政危機ってあったわけだな。ロシア国債がデフォルトになったわけだ。その余波で、LTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)というノーベル賞学者二人が率いてたヘッジファンドが破綻。
細かい動きは分からないが、要はLTCM破綻があったが為に、ヘッジファンドが一斉に円キャリートレードのポジションを巻き戻した。それが欧米時間の一晩で20円近く円高に動いた理由。
前日より20円位割安なドルを買えるのは、チャンスのようにも思えた。しかし、冷静に考えれば、次の瞬間為替がどちらに振れるかなんてことは分からない。その日は様子見していたところ、その夜も数円程の円高になる。10月末位までに114円位迄円高になった記憶がある。
このロシア危機に関して面白いビデオがあるので、ご参考下さい。
この動画見ても分かるけど、ロシアの経済ってこういうメチャクチャな話に巻き込まれて、預金封鎖とか食料配給とかメチャクチャな状況に慣れているから、昨今のウクライナ侵攻による経済制裁なんて屁でもないんじゃないかな。
ホームレスでも賞味期限切れは食べない、カリフォルニア米は食べない(※)、なんて贅沢に慣れ切った日本人には、これからの円安他は辛いでしょうけど、まあ人間どんな状況でも石にかじりついても生き延びる人は生き延びるもんです。
単なる思い出話ですが、折角書いたんでアップ。
ああ、皆さんが関心あるかも知れない100億円企業のパソコン事業ですが、その後どうなったか?上祐氏出所で団体規制法制定など、教団自体がハルマゲドン状態になった1999年に、会社自体も潰してしまいました。
(終わり)
※ウチの支援を求めてきた人に、最初は安いカリフォルニア米を5kg提供していましたが、ほとんどの人が食べないで残すので、今ホームレスの皆様には、コシヒカリを提供しています。なんだかなぁ…。
入れすぎると変色しますが、味は変わらないですね
コシヒカリ!おいらより良い米食べてますねw