2m接道3
市場価格の半値指し物件が、2m接道の上に私道持ち分無しと判明。契約日当日悩んだ末に、更に50万円値引き交渉に持ち込んだ。一旦は売主の承諾をもらったとの回答を得るが…。
契約書を書き直すと言って、小生を部屋に残したまま担当Aさんは戻ってこないのである。30分経っても戻ってこない…。単に書類を作り直すだけにしては、遅すぎる。
(う~ん、やっぱりやめるって話になったのかなぁ…)
40分ほど経った頃、Aさんがようやくもどってきた。
「実は上席には、『金額変更が問題になった』と伝えろと言われたのですが…、私としては野田さんに正直に申し上げたいので言います。実は、金額交渉して席を離れている間に、妹さんの方がネットで野田さんの事を検索しまして…」
「…ああ、元オウムってバレたってことですか?」
「はい、そうなんです。」
「……」
「それでこちらの方としては、これまでも何回も取引されていて、特に問題ないという風に説明したんですが、妹さんの方が、万が一でも後で何かあったら嫌だからと…」
「それでもう帰っちゃったんですか?」
「はい、帰られました…」
(´・ω・`)ショボーン
(´・ω・,';,';,',
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元オウムの素性がばれて契約破棄になったのは、これが2回目。BLM運動ではないが、何か人種差別にあったような気分。元AUM Lives Matter なのだが、誰もそんなのを支援してくれそうもない。しかも元オウムで不動産を買って問題になるのも、小生くらいなものか。なんだかなぁ…。
「どうも申し訳ございませんでした!」
店舗玄関まで頭を下げて見送ってくれるAさんも、心なしか小さく見えた。いや、一番大変だったのはAさんである。売主と小生の間を何度も往復して双方の意思確認し、契約書も書き直したが、結局ひっくり返され水の泡。勿論、物件詳細をキチンと調べる前に話をまとめ上げようとした部分も問題ではあるが、一番の被害者はAさんである。それは申し訳ない気がした。
(あの物件が別に特に良いってわけでもないし…)
半ば酸っぱい葡萄のような言い訳を思い浮かべつつ、この件は忘れるしかない、そう考えるしかなかった。
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1週間経過して忘れかけた頃、またAさんから電話連絡が来た。
「野田さん、先日はどうも大変申し訳ございませんでした…」
そう切り出したAさんに対し、
(いえいえ、Aさんが一番大変だったわけですから…)
と返答する間もなく、矢継ぎ早に話を続けてきた。
「実は、先日の売主さんが、やっぱり野田さんに売りたいと言ってきたのですが、どうしますか?」
「え?」
少し驚いたが、特にこちらは断る理由がない。
「じゃあいいですよ、400ですよね?」
「はい、有難うございます、では400のままで進めさせていただきます。」
ということで、やっぱり400で買う話になった。
今回の売主は、相続物件で早く換金したいという印象を受けた。早く換金したい売主には、業者自身が買い取るという業者買取制度がある。しかし業者買取の価格は、市場価格よりかなり叩かれる。この場合は、間違いなく400以下だろう。以前違う案件で、こちらが出した金額が、業者買取価格の倍だったということもあった。それでは余りにも安すぎるので…ということでこちらに戻ってきた可能性があるのだ。
こちらも金額が安いに越したことはないが、相手の足元を見て金額を下げるような真似はしたくない。一つにはやはり正言の実践である。最初に行った金額・約束を守る、ということである。
安いに越したことはないというならば、業者買取並みの価格を最初から提示してはどうなのか。こういう意見があるかも知れない。例えば一般投資家が、業者価格並みの金額提示しかしなければ、物件は買い取り業者の方に流れるだろう。そこは業者同士の付き合いなのである。とても売主が納得しないような安い金額提示では、仲介する方も「話すだけ無駄」と考えかねない。そこのところは、買える現実的な数字を提示する必要がある。
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さて改めて仕切り直し契約の当日。今回もコロナ対策で、売主と買主テーブルは別で、Aさんが二つのテーブルの間を行き来するやりとり。このテーブルが別になっているというのは、双方にとって気楽である。というのは、テーブルが同じだと、途中で気まずい沈黙が起こる可能性が高い。気まずい沈黙は、仲介業者が書類のコピー等で席を外す10~20分位の間に起こる。
売主と買主は、単に物件を売り買いするだけの間柄で、赤の他人である。多少物件についての質問はあったとしても、それが一通り終わってしまうと、「シーン」と気まずい雰囲気が漂う。しかも今回は、売主側が「元オウムだから不安だ」と言ったわけであり、売主としてはただでさえ気まずい思いがあっただろう。小生としても、やはり気を遣う。
Aさんが売主テーブルでやり取りしている間、一人で座っていると、いつもの事務員さんがお茶を持ってきてくれた。
「心の広い野田さん~♪」
にこやかにそう話しかけてくるではないか。
(そんなこと言われると、この辺がくすぐったくなるじゃねぇ~か)
30年以上前のビートたけしのギャグが頭に浮かぶ。オウム・元オウムということで、これまでどれだけマスコミ・世間一般から袋叩きにされたことか。95年当時の嵐を考えるならば、この程度の話は蛙の面に小便。
売主買主それぞれ別テーブルで署名等が終わると、最後に双方顔を合わせて手付金受け渡しを行うのが契約日の流れ。そこで初めて売主とその妹さんに顔を合わせる。少し物件についての話はしたが、特にオウムの話をするでもなく、手付金授受は終わる。最後にAさんから
「今回の契約の仲介手数料ですが、こちらの都合で恐縮なのですが、3月20日までにお願いしたいのですが…」
「3月20日!3月20日ってあの日じゃないですか、あの日!!」
と少し浮足立ってしまった。
拙ブログ読者諸氏ならお分かりだろう。
地下鉄が
いいねとグルが
言ったから
3月20日(はつか)は
〇リン記念日
その3月20日の事を話題にしてみたが、どうも担当のAさんも売主さんとその妹も反応が悪い。
冷静に考えてみれば、3月20日がどういう日なのか、一般人は春分の日かなにかとしか思い浮かばないだろう。
結果無事に物件は400で入手。
(一旦終わりだが続くかも)
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