銅配管
「突然天井からツーッと水が垂れてきました。」
古家ばかり所有する大家にとって、また悩ましい連絡が入った。単なる雨漏りならいつもの事だが、この物件は先週隣の部屋の雨漏りを直したばかりである。しかもその修理方法が、上の階の通路部分を防水シートで覆うという方法。よって、隣の部屋が雨漏りしたのと同様の方法では、漏る筈がないのだが。あるいはシートの貼り方がまずく、それが逆に雨漏りの原因となったのだろうか?
即日現場に行くと、確かにキッチンの吊戸棚下から水が垂れている。先週直した上の通路部分を見ても、問題は無さそう。う~ん。。。
翌日再度現場に行くと、壁紙が下に膨らむくらい水が溜まっているではないか。梅雨時で鬱陶しい天気だが、前日からほとんど雨は降っていない。恐らくこれは給水・給湯関係だろう。
壁紙を破ると水が糸を引いて垂れる。
天井ボードを破ってみると…
どうやら給湯配管の漏れ。古い銅管は、接合部分など特にピンホールが生じやすい。たまたまそのタイミングが先週の雨漏り修理と重なっただけかと、少し安堵。
だが小生には、銅管のロウ付け技術がない。そもそも今はポリ架橋管が主流、少し前でもVP・HI・HT管などの塩ビ管、銅管の給湯管は20年以上前の技術。入居者で水道屋に勤めていた人間が、ひょっとしたら経験があるかも…。そう思って電話してみたが、出ない。また一人で未経験の修理に挑戦かぁ…、ま、いつものことだけど。。。
天井の上で、改めてロウ付けして火を使うのは危ない。何か最新の部材で簡単に銅管接続できるものはないのか?探してみると、ありました! TFテクタッチ!
早速継手を2つ購入。お値段は一つ2000円、う~んちょっと高いな。。。
間につなぐフレキ管他、部材と道具を揃えて現場へGO!
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あ・っ・け・な・く・直・り・ま・し・た
小生の技術というより、技術進歩による工事部材進化の結果。余りにあっけないんで、また何かどんでん返しが…という過去の出来事が懐かしく成る程。というか、ここ数年やったことない不安と達成感を何度も経験しているので、youtube他ネットに出ているようなDIYなら、
(道具と材料さえあれば、何とかなるだろ)
という思いがあるわけだが。
終わって半日ほど経ってから、元水道屋入居者から連絡あり、おせぇーーよぉ~。
銅管のロウ付けについて聞いてみると、普通のトーチバーナーで出来るという。小生の持っているヤツでもできそうだ。次修理する機会は、テクタッチ買わずに炙るだけで直せるだろうか?
ところでここからイキなり思考が飛躍。給湯銅管のロウ付けは、ハンダだが、同じトーチでエアコン銅管の銅ロウ付けは出来ないだろうか?室内機取り外しに失敗した中古エアコンがジャンクで売っているのだが、配管の根元がダメになってしまっている。
これを根本から切って、新たに銅管をロウ付けで付け直せば、ジャンクエアコンが復活する。
ロウ付けのリン銅ロウの融点は735度。トーチバーナーは1300~1700度位まである。ちゃんと温めた所にリン銅ロウを当てればいけるのではないか?
やってみたら、いけました。ジャンクが復活~♪
ついでに取り外した給湯銅管でも遊んでみる。ハンダじゃなくて銅ロウ付けできるか、どうか。
あれ、あれ…
配管の銅そのものが溶けてしまった…
エアコン配管では溶けないが、なぜだろう?
調べてみると、銅自体の融点は1085度。エアコンの時溶けなかったのは、前後の配管に熱伝導していたから溶けなかったのだろう(銅の熱伝導率はかなり高い)。調子に乗ってバーナーで温めすぎると、本体配管が溶けてしまうから要注意。
(終わり)
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