地盤改良
今年2棟建てる予定、とどっかで書いたが、どうにも時間切れ。今年は1棟のみで、もう1棟は来年にずれ込むことに…。
さて次のアパートは、地元さいたま市岩槻区に建てる予定。自宅から近いこともあり、大工仕事も若者一人の養成と併せて、自分でも実習する予定である。
ところが、最初のアパートから協力してくれていた建築会社が、「今回はこちらでやる仕事がなくなる」ということで、抜ける流れになりそう…。色々細かい手配の負担まで、しわ寄せがくる可能性。
まあそうなったらそれは仕方ないとして、今回記事にしたいのは、タイトルの地盤改良工事について。地盤改良とは、建物が不同沈下を起こして傾かないように、基礎工事の前に行う工事である。
地盤が堅ければ、地盤改良は必要ない。しかし少し柔らかいなら表層改良、もしくはコンクリートを流し込む柱状改良工事が必要。更に軟弱な地盤なら、鋼管杭を埋め込み、軟弱な層が深い場合は、羽根つき鋼管杭を埋め込む。
ちなみに地盤が堅いか軟弱かどうかは、細いロッドを地中深くまで回転させながら貫入させ、その抵抗値で計測する(スウェーデン式サウンディング試験)。
さて、これまでは建築会社が地盤改良工事の手配も全て行ってくれていた。一昨年の1棟目は、さいたま市見沼区。「地盤は軟弱」との判定で、柱状改良工事が約40万円也。
昨年の2棟目は、春日部市。「前よりも地盤は軟弱」との判定で、鋼管杭工事が約100万円也。確かに春日部近辺は、縄文時代は海だったらしいから、仕方ないかなぁ…と。
今年の3棟目は、市川市。「この辺は水場だよ」と地元業者の話もあり、実際に深く掘ると水が出て来た。羽根付鋼管杭で約100万円也。
(3件も続けて前より地盤が悪いってなんなんだよ…)
こういう思いもあり、次こそはと地元で選んだ場所は、それなりに地盤がよさそうな場所(とは言え春日部に近いからそれなりだけど)。
地盤調査の会社は、これまでのアパートでも調査依頼したサムシング。業界では中堅クラス。日程調整して、調査日に立ち会う。
ロッドを地中に貫入させる作業は、作業員一人で出来てしまう。以下作業員とのやりとり。
小生「抵抗値の数値はどんなもんでしょう?」
業者「(機械のデータを確認しながら)ちょっと緩いですかねぇ~」
小生「柱状改良くらいですか?」
業者「柱状改良であれば大丈夫だと思います。」
小生「一応その地盤改良の見積もりもお願いします。」
業者「分かりました、営業に伝えておきます。」
(ん~、柱状改良なら40万位か、まあしょうがないか。)
そう考えて、待つこと1週間。現場に来た作業員とは別の営業から見積もりが届く。
気になるお値段は…
【DM工法(羽根付鋼管杭)税込156万円】
お前、ふざけんなよ!
現場作業員の柱状改良が、営業に回ると最軟弱地盤の羽根付鋼管杭になるのだ。馬鹿馬鹿しくてやってられない。建築会社じゃないエンドの客だと思ってなめてるのか。
そもそも地盤改良という工事を基礎工事の前にやり出したのが、ここ20-30年の間の話である。それまでに建てられた戸建て・アパート等は、地盤改良などやっていない。確かにそれで傾いている家もあるが、ほとんどの家は問題にならない程度の傾きである。そもそもその建設予定の土地にも、以前は戸建てがたっていたのだ。沈下するにしても、ある程度落ち着いたはずである。周囲の家を見渡しても、傾いている家はない。
更に柱状改良であれ鋼管杭であれ、地中にコンクリートもしくは鋼管を埋め込むのである。これは次に土地を売る際に、「地中埋設物」として撤去する対象になる。わざわざ撤去しなければならない埋設物を、ちょっと傾くかどうかを防止する為に、100万前後費用をかけて埋め込むのだ。
そもそも物件そのものが、ホームレス支援用である。多少傾いてもどうということはない。いや小生が住んでいる家自体傾いている。傾いていても何の支障もない。
ではなぜ建設業界で、地盤改良工事を行うようになったのか?それは建築確認審査が厳しくなったからである。エンドユーザーへ提供する住宅の品質保持の為に、不動産業者は新築物件に住宅瑕疵担保責任保険をかけなければならない。この保険加入要件として、地盤調査及びそれに基づく地盤改良工事が必要になっている。
要するにバカみたいな高品質、それを保証する為にバカみたいな余計な工事をするようになったわけだ。
そこまでやらんでええっちゅうに、どうせ生活保護のホームレスの家やねん。
施主のワシの家ですら傾いてまんねんでぇ~、贅沢すぎまんがな。
(つづく)
”会計公認士”の敬二とは月とすっぽんの差がある