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元オウム教団幹部 野田成人のブログ

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オウム問題というのは、現代社会の本質的問題を内包した象徴的な事件だと考えている。執行余波でマスコミが騒いでいる所、オウム報道がなされる度になされるものだが、「再びテロを犯す危険性は?」という内容がある。これに対して「アホか」という意味で、時間がない所、まだ論考としてはまとまりがないが、途中まで考えている所を書く。

麻原無き教団にはこの危険性はほぼ無いと考えて良い。それよりもむしろ日本人が恐れなければならないテロは、「無敵の人」が起こす個人的なテロである。

「無敵の人」とは、社会的な信用も人間関係もなく、何も失うものがない人の事である。そのような人が自暴自棄になって、社会への復讐を意図したと思われる事件が、近年少なくない。

先月だけで見ても、6/9に東海道新幹線内で起きた殺傷事件、6/26に富山で警察官から拳銃を奪って殺害した事件など、複数起こっている。「低能先生」とバカにされた人物が6/24に起こした事件も、それに当たるかも知れない。

かような個人的テロを起こす「無敵の人」は、多くの場合幼少期から家族関係に問題を抱えている。いくつかパターンがあるが、注目すべきは

1)暴力などの虐待(女児への性的なものも含む)
2)子供への行き過ぎた干渉、厳しいしつけ(熱心な教育も含む)

このような対応により子供の中に負の感情が蓄積され、ある時それが暴発する。それが「無敵の人」による個人的テロである。

なぜこのような「無敵の個人テロ」を取り上げるのかと言うと、この集積・集約がオウム事件であったと考えることもできるからである。

先日「殺人者はいかに誕生したか」(新潮文庫・長谷川博一)を読了した。本のサブタイトルは、「十大凶悪事件を獄中対話で読み解く」というものだが、心理学者である著者が、刑事被告の精神鑑定を行う視点から、事件の原因を分析している。

この本では、10年前秋葉原での大量殺人事件を引き起こした加藤智弘も取り上げている。自分の文章にするのも面倒なので、そこから画像で引用する。

加藤1

加藤は地元でもそれなりに優秀な学校に通っていた。途中まで「良い子」で通っていたが、ある段階でそこで挫折してあのような結末に至ってしまった。

いい学校のいい子が、突然テロリストに変貌する。テロ防止という観点からすれば、これには全く打つ手がない。

オウムには高学歴のエリートが集まり、武器を作るなどして一連の凶悪事件に至った、とされる。まだカルト団体に一時的に終結してもらった方が分かりやすいし、監視などの対策も取りようがあって有難い話になる。

敢えて原因・根本要因を見出そうとするならば、いい学校に行って、いい会社に就職して… というエリート教育そのものに落とし穴がある。そうとしか言いようが無くなってしまう。だが、これこそが、現代社会が行きついてしまった矛盾の一つなのである。

前回記事冒頭で以下の命題を引用し、そこからの考察について書いた。

「宇宙は、空(くう=emptiness)をtopとし、矛盾をbottomとする、包摂半順序集合である」

「どのような理論・理念に基づく集団・世界を構築しようとも、どこかで矛盾が生じる」

現代日本社会では、誰しも資本主義の市場競争から逃れることは出来ない。便利で豊か、安心安全快適なサービスを維持する為に、労働者は日々緊張状態でストレスに晒されている。物質的豊かさを維持する為の緊張であり、その為の努力を強いられている。そのような大人社会が敷いたレールに、子供も乗せられて教育を受ける。それが子供の内面に抑圧された悪を生み出し、時には加藤のような無差別大量殺人を惹起せしめるのである。

子供が良い学校に行き、良い会社に入る。良い会社に入り、良い商品・良いサービスを提供する。これは社会的な善であり正義である。社会の構成員個人個人が、それによってお金を稼ぎ、それが社会の経済発展につながるという。皆が信じて疑わない善である。

この皆が信じて疑わない秩序を乱す者には、ほぼ全員が批判や非難・排斥、時には攻撃を加えたりする。例えばその一例が

「生活保護の奴らは、働かないで怠けている」

というものである。この批判には、以下のような深層心理が潜んでいる。

「自分は我慢して働いているのに、働かないで金をもらうなんてズルい!」

「自分が我慢してこのルールを守っているのに、それを平然と破るヤツは許せない!」

このようなルール違反者を攻撃する人は、それ自体を正義だと思って行う。だがそれは、仕事で働いて収入を得ているものの内面にある、「俺も怠けたい」という悪を他人に投影しただけなのである。

資本主義社会で就労し「良い子」で要られる労働者は、「良い子」ではない生活保護者や秩序違反者・秩序破壊者に厳しい視線を向け、「良い子」で居られなくなくなった落伍者は、社会での居場所を失う。居場所を失ったものは、「無敵の人」予備軍となる。

資本主義社会の秩序を維持する為の努力は、誰に対しても一定のストレスをもたらす。そういう意味では、誰の心の中にも「悪」は存在するのである。その悪を、相対的にストレスに弱い他人に投影して攻撃するのは、一般的な意味で、「全く悪意がない」「常識的に考えて正義」なのである。このような善意による正義の攻撃は、とどまるところを知らない。小生はこの正義の追求自体が、現代文明そのものを再生不能な状態にまで破壊するのではないか、と懸念する。

拙ブログにて過去にハンナ・アーレントの「悪の凡庸」に関する記事を書いた。ナチス・ドイツと同様、オウムもそのような悪の罠に嵌っていたことについては、疑問の余地がないであろう。しかしナチス・ドイツを攻撃する側も、またオウムを攻撃する側も、いやアブラハムの宗教(ユダヤ・キリスト・イスラム)に支配された現代の世界そのものが、同じ陥穽に嵌っていると誰が認めることができようか?

秩序の正義、その正義を守ろうとするもの、秩序維持について行けずに落伍するもの、正義の鉄槌を受けた落伍者の反逆、という矛盾の構図は、どのような価値観による世界を形成しようとも、不可避である。

(つづく)

コメント


人間に生まれたくなかった。

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秘密コメント様

はい、どうもありがとうございます。

はじめまして
お書きになった本を今日読ませてもらいました。全く感情が感じられないわけじゃないけれども、事実を淡々と書かれていて理系の人らしい文体だと思いました。
で、書かれた事実だけを読んで判断する限り、途中登場してくる詐欺を働いた法律評論家って、どうみても公安調査庁のエージェントにしか見えないんですが・・・ その前の上祐さんの「被害者に寄付したら」という意向自体、法務省からの要請にしか見えないし。

関谷さんこんにちは

>公安庁エージェント、法務省

うーん、それはコメントしようがない、というより、「一神教支配の終焉」の方も是非読んで下さい。オウム、公安庁、法務省、そんなレベルの話じゃないんで。

グルがいなければ、弟子もこの世に生を受けない。

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