隠しごと
積年の疑問が解けたことがある
先日Sさんの保護決定後の初回支給に立ち会った。担当ケースワーカー(以下CW)が質問する。
CW「ご結婚歴は一回という事でしたよね?」
S氏「はい」
CW「戸籍を調査させて頂いたんですが、一回離婚された後、もう一回結婚されているようなんですが…」
S氏「…」
CW「このタチアナなんちゃら(ロシア人っぽい名前)さんとは今はどういう関係ですか?」
小生「!!」
S氏「いや、今は何も関係がないです…」
…
…
(CWが席を外したあと)
小生「戸籍売買したの?」
S氏「…はい」
小生「いくらで売ったの?」
S氏「…80万円です」
なるほど、戸籍売買はそんなに金になるものなのか。
ここで小生は、5年ほど前対応した史上最強ホームレス・野宿次郎氏について思いを巡らせた。「史上最強」とは、「知り合ってから間もないのに、これほどお金の精算をキチンとして約束もキチンと果たす生真面目なホームレスは見たことが無い」という意味である。
野宿次郎氏曰く「缶コーヒー一本で知らぬ間にロシア人と結婚させられた」らしいのだが、やはり100万円近い戸籍売買相場の金額を受け取っていたのだろう。それだけ多額の金を受け取ったことについては、当然違法な事に手を染めた後ろめたい気持ちがあるだろうし、そう簡単に他人に真実を明かすことは出来なかっただろう。生真面目な性格であれば、尚更本当のことが言えなくなる。
Sさんも当初はこのことを役所にも伝えていなかった。戸籍調査で否定しようも無くなった手前、小生にも受け取った金額を白状したわけであるが。
(つづく)
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