元オウム教団幹部 野田成人のブログ

★唯一人の荒らしの為にコメントは承認制になります★ 累積賠償額987万円

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祝! 菊地直子 逆転無罪判決

刑事補償1000万円もゲット  って話はおいといて…

先般他宗派を「背教徒」と見なすキリスト教一派の勧誘を受けたが、そこから転がってのフランステロ・イスラム国に関する考察。

一神教であるアブラハムの宗教では、他宗派は全て邪教と見なすケースが多い。これは宗教全般に見られる傾向ではあるが、多神教ではその傾向が弱く、一神教ではその傾向が強くなる。それぞれの宗派が、自らの正義・正当性を客観的視点から冷静にとらえなおすことができるならば、世界情勢は一変すると述べたが、これは当然グローバリズムにも当てはまる。既に述べて来たとおり、グローバリズム自体が、キリスト教原理主義者達が作り出した文明の潮流だからである。

ここでグローバリズムとは、政治形態として民主主義をベースにした資本主義体制・ボーダレスな市場経済の事を指す。欧米人はもちろんの事、ほとんどの日本人も、このグローバリズムの流れを疑う余地のないもの、人類共通の普遍的価値観と考えていることだろう。

しかしながら小生は、このグローバリズムも、地球を席巻するほど巨大化したが故に、内部崩壊する、と考えている。内部崩壊を引き起こす潜在的要因は、一般大衆の抑圧された感情・怒りである。これが金融崩壊を引き金に解放されることにより、システムは再生不能なまでに崩壊するであろう。システムを一つに束ねた一神教が、この潜在的な破壊力を如何に蓄積させているかを、以下に述べる。

◆情報は多様化、感情は単純化

現代はインターネット網の発達は、あらゆる情報を世界中どこでも誰でも共有することを可能にした。しかし現代人は情報過多に陥り、情報の背景にある実体験を共有・共感することが不可能になっている。日々あまりにも多くの情報と接しているが故に、情報に対する思考・判断を単純化せざるを得ないのだ。

すると、ある事件が起きたとした場合、一般大衆は、そこに関わった人物・対象に対して、対象の人種・宗教・国籍などにより記号化・ステレオタイプ化し、善悪・好き嫌い等の両極端で単純な判断しか下すことしかできなくなる。

具体例として、本日(執筆時11/27)逆転無罪判決が出た菊地直子を取り上げる。17年間の逃亡生活を経て逮捕された彼女に対して、世間の風当たりは厳しかった。裁判員裁判の一審判決は、実刑五年。この一審判決について小生は、彼女がオウムという記号化された悪を背負わされた結果だと考える。

彼女がどれ程の量刑を負うべきかという点について、他のオウム実行犯との量刑比較・教団内ステージ等々をよくよく考慮するならば、今回の無罪判決は妥当であろう。その詳細については、江川紹子氏・滝本太郎弁護士の記事などを参照頂きたい。

一個の人間が、犯罪や事件に関わったとして、その背景事情や本人の思考の変遷は、極めて複雑なものがある。しかしそれは、例えばオウム事件なら、オウムの教義や教団の戒律やステージ等々、内部事情に極めて精通することがなければ、その真相に辿り着くことはできない。

一般大衆は、そのような複雑な事情など考えようともしない。今回の逆転無罪判決についても、「無罪のわけないじゃない」「最近の司法っておかしくないか?」「納得いきません」等々のコメントが多数の賛同を得ている。

しかしこれも無理からぬことである。膨大な情報の荒波に置かれた現代人は、複雑な個別背景事情等は無視して、例えば「オウム=悪」と単純に記号化して判断する他ないのである。

このようにインターネット等で日々大量の情報に接触していると、対象の個別複雑な心情等を理解することがなくなり、人の心・感情の機微などが余り理解できなくなっていく。結果として、「善か悪か」「好きか嫌いか」「得か損か」「金になるかならないか」というような単純で極めて大雑把・大味な感情・判断ばかりするようになってしまう。両極端な感情・判断に慣らされてしまうと、感情そのものがコントロールできなくなっていく。

単純で大味な感情・判断しかしなくなり、感情がコントロール不能になった一般大衆は、どのような所に落ち着くだろうか?その一つの形態は、排外主義である。フランステロに絡んで更にクローズアップされた移民や異教徒の問題しかり。日本においては、嫌韓・嫌中のヘイトスピーチなどがこれに当たる。政治家が、この感情を利用して大衆を扇動すれば、国家間の衝突となる。

(つづく)

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この裁判では井上死刑囚の証言は信用できないと否定されました。
17年まえの記憶くらい普通に思い出せるものですよね。
野田さんは、そのへんどう思われますか。

私も無罪は妥当だとおもいます。
昔から、井上死刑囚は、他の幹部と証言が食い違い、被告に不利な発言をする、検察に媚びて嘘の証言をしているんじゃないかと評判でした。
こんな人物の証言を証拠として採用すべきではありません。
検察が井上死刑囚に、被告に不利な証言に誘導したのか、井上死刑囚が自主的にそういう発言をしたのかはわかりませんが、もし検察が故意にさせたならば、そんなことは二度としないでほしいです。権力の濫用で、恐ろしいです。
国民感情と、公正な裁判とは別の問題です。

井上供述の信用性?メチャメチャ低いと思います。

例えば、10人共犯者がいたら、その10人が共有した出来事で、井上ともう一人だけ違う事を言う。残り8人は反対の事を言っているけど、その2人だけが証拠採用、8人は証拠採用却下で有罪になっているヤツがいます。

上記はあくまで一例ですけど、私は彼の「現金な」性格をよく知っていますから、検察に尻尾を振るのも納得はできますが…

検察は勝手にストーリー作って、そこに供述を嵌めこむってこと、普通にやりますよ。私自身は経験として身をもって思い知らされました。
http://alephnoda.blog85.fc2.com/blog-entry-984.html
事件そのものは大したやつではありませんが、細かく言うと

・起訴事実を認めるヤツを公判分離して先に軽い刑で確定
・否認しているヤツを後から重い形で求刑、しかしその先に確定した主犯格のデタラメ過ぎる証言で、求刑の半分以下ってところがミソ

だって弁護士だって「真実は作るものだ!」なんて言ってるやついるんですよ。法曹界そのものがそんなもんってこと。

現金な性格ですかあ。
私は、嘘をついて被告の刑を重くしようなんて冷酷だ、どこが事件を反省しているんだ、反省したなら、思いやりのある人間になるよう努力して、検察に媚びず正直な証言をすべきじゃないかと今まで思っていました。
冷酷な人間なんじゃなくて、自分が悪いこと(嘘をついて被告の刑を重くする)をしていると自覚していないということなんですね

無罪だけれど…

菊地直子さんの無罪は妥当じゃないでしょうか。でも、民事上の責任は残ります。被害者の内海さんに対しては、それなりの賠償金を支払うことになると思いますが…。

>冷酷な人間なんじゃなくて、自分が悪いこと(嘘をついて被告の刑を重くする)をしていると自覚

う~ん、ま、彼に対する論評も、実際に彼が経験したことをそのまま小生が追体験しているわけではないんで、「信用性低い」以上のことは、簡単には言えないんですが…

例えば取調室で

検察「これこれこういう話があったんじゃないの?こういう事実なかった?」

と検察ストーリに誘導されて

井上「あ、そうだったかも知れません。」

検察「じゃあこういう供述でいいね?」

とかなってるかも。

とにかく検事って被告人の一人称になりきって作文しますから。これはどの事件でどの検事も「一人称作文」をするのがスタンダードです。

彼は獄中でもチベット仏教を勉強・実践し続けているらしいのですが、その彼がなぜ他人を重罪に貶める証言をしているのか、私も理解不可能です。

可能な解釈としては、「来世高い世界に行けるように、今生出来るだけカルマを軽くしてください、その為に獄中で長く苦しんでください、私だってそうしているんですから。あなた方来世の為に頑張って修行してたんでしょ?」う~ん。。。確かに私も元出家者Gに対してそういう思考したけど、そ・こ・ま・で・や・る・か・?

もしこの解釈通りだとするならば、井上は「来世また自分が他人に嵌められて重罪を負うことになってもいいので、皆さんは重罪で苦しんで来世は…」と考えている偉大な菩薩ってこともなきにしもあらず。ちょっと現金な性格とは結びつかないけど…

六白の五行大先生、何かコメントございませんか?

いずれにしろ、井上死刑囚みたいな人は、死後、あるいは来世に、逆に自分が嘘の証言をされたり証拠捏造されて苦しい思いをして思い知って、改心する以外ないんでしょうね。そのためにカルマの法則があるわけです。
宗教を実践しているといいながら、じぶんの行いで人を苦しめるのは、誰かさんの生き方と同じではないですか。

ひろ君。。。

¥1000万

ですか。
捕まった当初、500万ぐらいは貯めていたそうですから、
計¥1500万になりますな。
見習いたいものです。

これで、当分働かなくとも、あの彼氏と結婚できますね。
お幸せに。


「オウム死刑囚”井上嘉浩”の獄中手記」
門田隆将(ノンフィクション作家)
『文藝春秋』2014年2月号 より

 オウム真理教の平田信(48)の裁判員裁判が始まる。この裁判の証人として死刑囚井上嘉浩(44)が出廷する。井上は一審無期懲役、二審死刑、最高裁死刑(2009年)。
 井上嘉浩は“修行の天才”と言われた。学歴や経歴が幅を利かしたオウムの中で、純粋に修行者としての実力が認められた幹部。当時25歳だった井上は44歳となった。オウム真理教の「諜報省大臣」。
 井上嘉浩は「誠実な人柄」と言われる。
 初公判の井上の陳述:「これからの裁判において、今度こそ菩提心を培い、本当の修行者として、松本智津夫氏(麻原彰晃の本名)に立ち向かい事実を明らかにすることによって、今私のできる唯一の償いを実践することを誓います。」
 ほかのオウム法廷に井上は100回以上、証人として出廷。検察はオウムの犯罪立証の中核に井上を据える。
 門田隆将氏は、死刑確定前に4度、井上氏と面会。井上氏から手記が門田氏に送られてきた。(2013年秋)

井上嘉浩の手記:第2部「自問自答」

(4)マハーヤーナ(大乗)から、ヴァジラヤーナ(金剛乗)へ(1988年夏)
 1988年18歳で出家。両親との別れの悲しみ。しかし「親子の情から解脱する。苦しみの輪から抜け解脱を体現し、両親に分け与える。悲しむことではない」と言い聞かせる。
 麻原、1988年夏、インドから帰国後、「マハーヤーナ(大乗)でなく、これからはヴァジラヤーナ(金剛乗)だ」と怒鳴って道場で、男性サマナ(出家信者)の頭をたたく。
 マハーヤーナ(大乗):自分を相手に捧げ尽くすことが慈悲である。
 相手に苦痛を与え、相手の悪業を落とし救うことが慈悲である。
 教義的に理屈は分かったが、「えーそこまでやるの」とショックを受けた。麻原の暴力に恐れや不安を感じていた。
 しかし密教にあこがれを持っていたので、「怖れてはいけない。できることからやればいい」と言い聞かせた。
 また密教を学びたいため、背伸びをしていい子でいようとした。麻原の前でいい子でいようとする子供っぽさ。麻原に認めてもらいたいと思う。
 いい子でいることにプライドを覚え自己陶酔すらしていた。

(5)コンテナでの井上の地獄の体験(1989年8月)
 「真理のために戦うしかない」と麻原の説法(1989年)。
 「戦うならカルマになる!本来、真理はつぶされない!」と私は同意できず黙り込む。
 私は19歳で初めて部下との恋愛。教団内で恋愛禁止。麻原を裏切っているとの罪悪感。
 教団が急速に拡大し、密告による管理体制。かくて彼女との関係が麻原に知られる。
罰として8月の炎天下、アルミ列車のコンテナの中で4日間の断水断食。外から鍵。本当に死ぬかもしれないとの恐怖。
 人を愛することの禁止。人を愛することで育つ人へのいたわりの気持ちが消失。
 その後、偶然、麻原の布団の上で、麻原を待つ彼女を発見する。しかし「はっ」と息を飲んだだけ。男として精神的に去勢状態。
 《門田の注》コンテナでの井上の地獄の体験は、麻原への深い恐怖と絶対服従に至る。

(6)ヴァジラヤーナの帰依:竹刀での滅多打ち
 1990年、サマナのステージを突然、下げられる。修行中に、「知子夫人に反抗した」と麻原に誤解される。「ヴァジラヤーナに帰依しろ!」とカーボン製の竹刀で思い切り50発くらい叩かれる。自分が砕け散る感じで、2週間記憶がとぎれる。
 実は、2-3日後、再度、ヴァジラヤーナの帰依をさせられた。部屋から逃げ出そうとしたが滅多打ちされる。
 記憶の断絶で、人として大切な「何か」を見失う。
 1991年夏(21歳)、「何で言われたことが出来ないんだ。お前は駒通りやればいいんだ!」と麻原にぼろくそに言われる。
 サマナは麻原の駒として、麻原と信徒を結ぶ。
 「出家させろ!」と命じられれば、出家させる。
 「借金させても布施を募れ」と命じられれば布施を集める。
 しかし麻原の指示は何だかんだと言っても、「救済」のためだと信じていた。
 私にとってはマハームドラーの修行。不合理だからこそ修行。頑張らなければと思う。
 麻原の指示は、人間的な心情をもってすればとうていやれないことが多く、私の心情は麻痺し、信徒への感情も麻痺し、信徒の苦悩を感じなくなる。


(8)落田耕太郎さん事件1994年:女性信者を助けようとした元信者が捕まり絞殺される
 グルの意思の実践は救済の手伝いであり、自分の修業であると思う。これはいい子ぶった自己満足。そして大義への盲信。しかも心のより深いところでは麻原への恐怖。
 「下向(=脱会)はポア(殺害)だ。家に戻れば家族を皆殺しにする。警察署に逃げても爆破する。性欲の破戒をした者もポアだ」と麻原。

(9)破壊された「心」:麻原に疑われ拷問される(1994年)
 麻原から私は下向するのではないかと疑われる。「お前はどうしようもない奴だ。もう一度しっかり瞑想して死ね」と麻原。LSDが1mg入ったドリンクを飲まされる。(以前実験台で150マイクログラム飲まされ一時呼吸停止。)このままでは死ぬと隠れて吐き出す。
 半日後、意識を取り戻すと「俺に何を隠しているのか言え」と麻原。その後、スパーリングでサンドバッグ。さらに温熱(高温の風呂でエネルギーを強める)3回。
 「もう何も考えられない。感じられない。命が持たない。心を鬼にしてやるしかない」と思う。自分の心を破壊された。
 女性問題で中村が殺される。下向した谷村に麻原が殺害命令。スパイ容疑の富田が拷問の末、殺害される。

(10)1994年:麻原の一声で基準がぐるぐる変わり、つかみどころがない
 三菱重工広島製作所に侵入。「怖い。やるしかない。神々の意思だ」と思い詰めて麻原の指示した図面を入手。
 「滝本弁護士にVXをつけてこい、殺害しろ」と麻原。ただし中止。
 NECのレーザー図面入手の侵入で、私(井上)が捕まる。
 内心、もう自分ではヴァジャラヤーナの実践は限界だと思った。
 VXを水野さんにかけることが「できない」と私。代わりに山形にやらせる。「救済の大義を信じきれない」自分の“無責任な偽善”。
 《門田の注》かくて、井上自身が「直接手を下した」事件がない。公安部の捜査官から井上は「お前は卑怯者だ!」と呼ばれる。
 「当時は、自分も他者も、修行も救済も何もかもが、麻原の一声で基準がぐるぐる変わり、つかみどころのないものになった。」「合理的な思考を持っていては、やっていけない。」
 「唯一変化しないグルの意思、神々の意思にすがり、目前のワークに没入。」

(11)1994年12月:人としての自然な心を失う
 大阪の会社員、濱口氏が公安のスパイとされ麻原の命令で、VXガスで殺害される。(1994年12月)私は闇の中にずんずんと沈む感じ。私は「もう自分はどうしようもない。この道をいくしかない」と、さらに目前のワークに没入。
 当時、私は人の心に触れて涙するような、人としての自然な心をすっかり見失っていた。
 都内の教団の飲食店で、若い女性サマナに囲まれカラオケを歌う麻原を見て、麻原をVXガスで殺せないかと一瞬殺意を感じた。しかし空恐ろしくなる。
 私が当時、部下や信徒の信仰心を利用して、彼らを道具に近い感覚で使っていた点は、麻原と同じだった。

(12)2 炭そ菌を散布する噴霧装置(アタッシュケース)を地下鉄・霞が関に置いた事件。
 「何故私に実行させようとするんだ」と思う。しかし「麻原から睨まれたらポアされる。実行しないなら麻原を殺すしかない。」
 激しい自己嫌悪。「こんな矛盾に耐えられない。麻原を真正面から否定できない以上、自分を否定するしかない。」
 しかし自分を否定するだけでは淋しすぎる。
 炭そ菌(トキシン)によって「アメリカの物質主義の属国にされた日本の社会機構を崩壊させれば、ハルマゲドンの道は変わるのかもしれない。それが神々の意思なのかもしれない。そうだ神々の意思のためにやろう」と決心。
 私は噴霧装置をセットしたが、作動のボタンを無意識のうちに押さなかった。装置は働かないまま発見された。

(13)地下鉄サリン事件:1995年3月
 麻原が、予言の成就のために決断。その上ですべてを弟子の責任に押し付けると計画。
 教団による武力革命=宗教戦争を起こすことで人類を滅亡から救済し、新たな世界を創る救済者が自分であると、麻原は信じる。地下鉄サリン事件は、その予言の成就のため。

(14)教団が犯した罪の正体:神秘体験を、麻原の真理の世界とすり替える
 神秘体験:自己と他者を分け隔てる自我を解体し、その奥底に人間社会だけでなく、動物や自然、宇宙と一体的な他律的パワープロセスの流れに気づき、その流れと感応するプロセス。自律的パワープロセスと他律的パワープロセスのバランスを取り戻すプロセス。
 ただし神秘体験を対象化してはいけない。他律的パワープロセスの感覚を欠如させ、独りよがりの自律的パワープロセスを形成する逸脱に陥るから。
 麻原は自我を解体させる修行方法を悪用。信者に神秘体験させ、その体験を麻原の真理の世界とすり替える。他律的パワープロセスを見失い、麻原が妄想した自律的パワープロセスの世界を、真実と盲信し同化してしまう。
 麻原の宗教戦争論は、人間を救う者と救われる者、非凡人と凡人に上下に区別する傲慢さに基づく。
 その上で社会の法律を踏み越える権力、権利を神から委託されたとする。
 自分たちは絶対的真理、絶対的善と考え、ハルマゲドンから多くの人々を救う大義のもと、武力革命に包括される野蛮な振る舞いを起こした。
 命の尊厳を否定できるような絶対的に正しい大義などない。この世は矛盾に満ち、人間は過ちを犯す生き物だとの謙虚さが必要。
 他者と自分を救う唯一の道とされた絶対的神やグルとの一体化は、実は単なる私的な欲望に過ぎなかった。それは言い換えれば他者への共感性を見失う人間性の喪失である。


井上嘉浩の手記:第1部「現在の私」

(2)一審判決
 一審判決にあったように「〈プライド〉とか〈自尊心〉とか〈傲慢さ〉とか〈思い上がり〉とか・・・・すべてを捨て去って一人の素直な人間としての謝罪の日々を送り」たい。
 修行者の〈プライド〉:殺人の実行行為ができないのに、背伸びして「できない」と言わなかった。殺人の実行行為が「できない」と素直に言って阻止すべきだった。
 〈自尊心〉:修業ができると見られ誇らしく思いうぬぼれ、麻原の無理な指示に従った。
 〈傲慢さ〉:救いの名のもとに他者のかけがえのない命を奪った。多くの人々をハルマゲドンから救うには犠牲も仕方がないという傲慢さ。
 〈思い上がり〉:グルの意思を実践する限り自分が過ちを犯すはずがないと思い上がる。
 かくて私は、他者の「いのち」の尊厳性を否定した。
 修行により霊性の開発を遂げた「新人類」(麻原)が人類を啓蒙し救済するという傲慢な救いの押しつけ。異なる価値感を持つ他者の排除。

(4)逮捕後に学んだこと
 修行により生じる神秘体験は、生き物の内面にあるいのちの共通の姿を感得すること。“姿がちがっても全ての生き物は平等に大きないのちに生かされている”と知ること。
 それなのに私は神秘体験により特別な人間になったとうぬぼれた。
 自己陶酔でしかない「透明な慈悲の大河」に「一滴の雫」(=「新人類」)として溶け込むと考えたのは誤り。
 様々な人間の汚濁、その苦しみや悲しみをも包んだ「命の大海」にこそ私は跳び込むべきだった。

(5)「絶望が深まるほど、私の中にいのちが生きている力を感じる」
 大義による救いがあるとの盲信。「救済するんだ」と善人ぶった。
 中高生の頃、人間が作りだした罪や矛盾を嫌い、拒絶。
 罪や矛盾によりハルマゲドンへ向かう現代社会を変革するのだと正義感にかられ、自分は人々を導くすぐれた者だと思いこむ。
 自分たちの救済の物語への自己陶酔。人が当然持つべき他者への共感を見失う。
 他者の苦しみを背負う菩薩であるとのうぬぼれ。他者のためとの口実で、自分の都合よいように考える。
 そのためオウムの救いなど全く望んでいない一般の人々に、一方的に救いを押しつけ、かけがえのない多くの命を奪った。
 救われようのない罪の重さと悲しみに身が沈むばかり。
 それなのに絶望が深まるほど、私の中にいのちが生きている力を感じる。
 その力は、自分の生に対する欲求だけでなく、もっと大きなあらゆる生き物を見守る命の愛のようなものから訪れてくる。
 生き物を慈しむ限りない愛を感じる。
 命を奪ったことが恐ろしく罪深いと痛感します。被害者の方々にあまりに申し訳ない。とめどなく涙があふれます。



検察に都合のいい偽証をするのは、麻原のマインドコントロールが溶けてないしょうこ???

確かに、井上くんは、もともと社会経験がなく、閉鎖された環境で生きている期間がとても長いので、この環境で人間性を身につけろ、人の痛みを思いやれと言っても、難しいと思います。普通の環境で生きていれば、成長してそういう人間になれたかもしれません。
でも、 19歳で名古屋アベック事件を起こして、無期懲役になっている人は、わずかな作業報奨金を被害者の遺族に送金し、おわびし続けているほどの人間になったので、思いやりがない人間が、人間性を身につけるのに不適切な環境で、思いやりを身につけるのは不可能ではないと思います。

何より死刑囚の待遇が悪すぎますね。外部の人間との交流を制限するのが何より痛いです。いつか変わってくれるといいのですが。

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